ペットの命、売買は許される?

歴史を振り返ると、多くの人身売買が公然と行われていた時代がありました。今でも世界の一部地域では、貧しさから人身売買が行われています。日本では、もちろん人身売買は違法行為です。しかし、ペットに関しては、状況は全く異なります。日本でペットを飼いたい場合、ペットショップに出向くのが一般的です。

中にはブリーダーや知り合いから直接に譲り受ける場合や、保護施設でのご縁で新しい家族になるケースもありますが、それらの数はペットショップでの購入数と比較すると圧倒的に低いようです。先日のニュースで、ペットショップ向けの子犬のオークションで取引されている個体の年齢を獣医師に調べて貰うと、誕生日の虚偽報告が多くあり、法的に認められていない歯も十分に生えていない幼い子犬が数多く居る事が発覚したと伝えていました。

ペットショップで販売する際、少しでも幼いペットの方が売りやすい事情があるようです。ブリーダーにとっても、養育期間が少しでも短い方がコストを削減できるなどの理由が見え隠れしているようです。以前に、悪質なブリーダーの逮捕事件がありました。ブリーダーをしていた経営者が廃業届を出した後に、繁殖の務めを終えた犬を袋に入れて窒息死させた悲惨な行いが、動物愛護法違反での逮捕理由です。

これらの問題から、ペットを単にお金儲けの材料としか考えていないブリーダーや、ペットを命のある生き物ではなく商品として扱う大型ペット店の効率経営などが浮かび上がってきます。このような歪んだ負の連鎖を止めるには、ペットの命の売買について、考えを改める時期に来ているのかも知れません。もしも、これからペットを迎える事をお考えになられているのであれば、どのような方法で新たな家族としてのペットとご縁をつくるか慎重に考えていただければと思います。